映画廃人・井伊古里の夢ブログ

実在しない映画の感想を延々と書いたり、日常で作ってみたものをあげてみたり。小さくても一生懸命生きています。

『ナルシスト』(2001年・ノルウェー) ネタバレ&感想

 

こんにちは。皆さん。

いきなりですが、皆さんは自分が好きですか?

 

私は、自分が嫌いな時期もありましたが、今ではかなりのナルシストだと自負しています。

写真集とかオリジナルソングも作りたいくらいですね。

純粋なナルシスト力は、この国の上位5%には入るのではないでしょうか。

 

そんな、周囲もどん引きの超絶ナルシストの私ですが、その私さえも辿り着けない高みにいった人がいます。

 

それが、こちら。

『ナルシスト』(2001年・ノルウェー)

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【あらすじ】

青年グリベットは、顔も見たことがない女の子イザベラに恋をしている。

小さい時、両親から虐待を受けていたグリベットにとってイザベラは心の支え。

イザベラは恥ずかしがり屋なのか、グリベットがいない時にだけ、家に訪れ、身の回りの物を整え、手紙やメモを残して去っていく。

イザベラはこの関係に満足していたが、恋焦がれたグリベットは、付き合って一年の記念日にプロポーズをすることを決意する。

そして、そのために何とかしてイザベラに会おうとするが、あの手この手で断られー…。

 

 

はい、タイトルが盛大なネタバレ!!ありがとうございました。

なんか北欧って感じの映画です。

なんていうか…鬱々としたラブロマンス?(失礼)

 

さて、イザベラちゃんにプロポーズを決めたグリベット君は、浮かれて街に繰り出します。

 

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イザベラちゃんに花を送ろうとウキウキしているグリベット君。可愛い。

 

けれど、デートに誘っても、家の食事に誘っても一向に現れないイザベラちゃん。

でも、顔写真を見せてくれたから良いかと納得するグリベット。

それは、流石にちょろすぎるよ〜。

 

ところが、グリベット君。

お家でベッドの下に隠された、自分のものではないウィッグと口紅を発見してしまいます。

このウィッグは、彼女のもの…?でも、なぜこんなところに…?

 

焦ったグリベットは、どこにいるの、とノートで尋ねます。

 

そうすると、後日帰ってきた返事は…

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ふぁっ!?あなたの中よ、って。

…なんと、イザベラちゃんは、グリベット君の第二人格だったのです。

両親から虐待を受けたことによる心の傷で生まれたのがイザベラちゃんでした。

 

それを知っていたイザベラちゃんは、グリベット君のためにも、早くお別れするつもりだったのですが、どうしてもできなかったのです。

真実を知り、別れるのを絶対に許さないと激昂するグリベット。

愛し合うのに触れられないことへの切なさ、愛する人のために消えねばならない自分と、全てがないまぜになって絶望するイザベラと、彼女を絶対に手放したくないグリベットの攻防が続きます。

 

ここの、レオン・エリオットの演技が本当に素晴らしい。まさに狂演。

下手すると、男性が家で一人喋っているだけにしか見えないシーンなのですが、圧巻の演技力で、揉める恋人を演じ分けます。

見た目は同一人物なのに、男女を演じ分ける切り替え、そしてクオリティも恐ろしい。

中性的な容姿の彼の魅力が余すことなく出ている作品です。

 

口論がピークに達し、沈黙が落ちます。

もう駄目かと思った矢先。

グリベットは鏡に向かってキスをします。そして、乞うように「I love you」と囁きます。

あまりに綺麗で切なすぎる…。

文句なしの名シーンです。

 

それから…

 

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二人は住み慣れた街を離れます。

 

最後のシーンは、スーツケースを持ち、電車に揺られるグリベット。

一見、一人でいるようですが、よく見ると口元が動いています。

柔らかな微笑みを浮かべ、グリベット君は、「I love you, Grivet」と呟きます。

 

グリベット君は、イザベラちゃんと話していたのでした。二人は、24時間365日、愛する人とずっと一緒です。

そして、トンネルを抜け、明るくなったシーンで終了。

 

果てさて、二人はどこに向かうんだろうなぁ。

新婚旅行なのか、あるいは心中なのか。明言されてないあたり、人によって捉え方の幅があって良いですよね。

 

ナルシストというタイトルからは、予想もできないほどの純愛映画です。

たまにはこういうのも良いですね。

 

 

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