映画廃人・井伊古里の夢ブログ

実在しない映画の感想を延々と書いたり、日常で作ってみたものをあげてみたり。小さくても一生懸命生きています。

『少女アモラの不思議な冒険』(ノルウェー・2017) ※微胸糞 ネタバレあり

 

どうも、井伊古里です。

 

突然ですが、私は美しいものが大好きです。

皿や骨董、絵画にインテリアなどー…。

 

こういったものは何故美しいのでしょうか?

時たま、この情動の正体を考えることがあります。

 

私は、美しいものは不平等で残酷だと考えています。

全てが平等な世界では美しいという概念は産まれ得ないからです。

美しさとは相対的でありながら、圧倒的である必要があると感じます。

 

では、その不条理な公平さに何故、我々は魅力を覚えるのでしょう。

圧倒的な理不尽、暴力的な不公平さこそが美の概念であるならば。

我々は不条理に触れた時、その人智を超えた力を認め、畏怖する一方で、抗おうとする心の動きや泥臭さが生じるはずです。

 

ゲルニカにしろなんにしろ、歴史的にも、残酷な出来事を芸術に昇華した例は枚挙に暇がありません。

残酷さに美を見つけ、逆境を乗り越える力とする。これこそが人間の強さであると思います。

つまり芸術は、美しさだけでは決して完結せず、作者や人々の心や気持ち、歴史も感じられて、初めて人々を感動させるのでしょう。

 

 

さて、前置きが長くなりました。

ということで、残酷なものは美しい!!(暴論)

これをモットーに本日紹介するのは、この映画です。

 

『少女アモラの不思議な冒険』(ノルウェー・2017)

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【あらすじ】

閑静な住宅街に引っ越して来た一家。

病弱な弟の療養のために知らない土地に引っ越し、しかも弟に両親はかかりっきり。

いつも1人寂しく、絵本を読んでいるアモラですが、ある日、森で不思議な冒険をしますー…。

 

さて、アモラちゃんですが、病弱な弟にかかりっきりの家族で寂しい思いをしているというとこからのスタートです。

でも、見た感じ少女という年齢ではなさそうですがねぇ。

この年で絵本は若干、幼い印象を受けます。

まぁ、それはさておき、アモラちゃんは、少しでいいから、家族に気にかけて欲しいと、絵本の中のフェアリーにお願いします。

 

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願いが通じたのか、家族で家の庭でピクニックをすることになりました。

アモラはお気に入りの白ワンピで満面の笑み。

ところが、弟ニックの体調が悪くなってしまい、ピクニックは終了。

両親の注意は完全にニックの方へ。

 

1人になったアモラは、たまたま見つけた綺麗な森に入ります。

 

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そこでは、なんと不思議な蝶が飛んでいました。

その蝶々は、よく見ると羽の部分がアモラの大好きな絵本でした!

アモラは嬉しくなり、蝶について奥へ奥へとついていってしまいます…。

 

一方その頃、家では、ようやくアモラがいないことに家族が気づきます

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不安そうな母親。どこかに電話をかけ始めました。

どうやら自分の母にニックを見てもらうよう頼んでいるみたいです。

 

 

アモラは、家の混乱に気づかずどんどん冒険をします。

お昼を食べていないのでお腹が減ってしまったアモラ。

そこに土の中から声が聞こえます。

掘り返すと、茶色く土に汚れた汚いお芋がごろごろと出てきます。

 

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絶対不味そう…。

 

芋達は食べてくれ、と懇願しますが、アモラは汚れているから嫌だと首を振ります。

痺れを切らしたお芋の一つが、アモラの口に飛び込みます。

アモラは一口食べてあまりの不味さに吐き出しました。

 

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場面は変わり、警察署です。女性の警部が、慌ただしく他の警官に指示しています。

少女が行方不明、名前はやはりアモラでした。

 

 

さて、アモラが次に着いたのは不思議な泉でした。

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泉から美人な女の人が現れます。

女の人は、自分は大人になったアモラだと言います。

この国には女王様がいて、魔法を使ってこの世界が壊れてしまわないよう守っているそうです。

アモラは女王様の魔法が見たいと言いますが、女王様は大人の女性にしか会わないのだそうです。

 

大人になりたいか、という質問にアモラは頷きます。大人のアモラは、それなら穢れを落とさなくては、と言いました。

 

穢れとは、と首をかしげるアモラでしたが、手に持っているお芋に思い当たり、泉の水でゴシゴシとよく洗いました。

綺麗になったお芋は喜んで、再びアモラの口に飛び込みます。

 

アモラはその拍子に後ろに尻餅をついてしまい、後ろにあった木苺をお尻で潰してしまいました。

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折角の真っ白なワンピースが赤く汚れてしまい、アモラはガッカリしますが、よく見ると、アモラは手足はすらっと長く伸びていました。

先ほどのアモラの姿は見えず、声だけが聞こえてきました。

大人になったお祝いに新しく赤いワンピースをプレゼントすると言われ、アモラは喜びました。

 

その時、ドンドンと大きな音が聞こえ、青空に白い花灯が打ち上がります。

その花火は、見えない壁に阻まれたようです。

敵国の攻撃を女王の魔法のおかげで防いでいるようです。

 

さて、アモラはこの国の女王がいる場所に向かいます。

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女王のいる小屋を発見したアモラ。

 

小屋をキョロキョロと見ていると、執事から、隣国と戦争中なので城を買うお金がないのだと言われ、慌てて素敵だとフォローします。

女王と会話するアモラですが、女王は仕切りの奥にいるので姿は見えません。

 

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女王はクイズと言って三つの質問をします。

 

私は誰だと思う?

女王様、とアモラは答えます。

 

次に聞かれたのは、私は何をしている?

魔法で国を守っている、と答えます。

 

三問目、と女王が言います。

私は誰だと思う?女王は誰?

アモラはさっきと同じ質問だと指摘しますが、返答はありません。

 

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ドアを開けて、部屋を見るとそこにあったのは一枚の鏡でした。

鏡に自分の顔が映り、アモラは女王は私だと答えます。

 

鏡が正解、と答えて、アモラはこの国の女王となりました。

冒険を終え、そろそろ家に帰りたくなったアモラは、魔法を使って迎えを呼びます。

そして、ついでに両親が自分のことを構ってくれる魔法もかけておきます。

 

魔法は成功し、迎えがやってきます。やって来たのは、軍隊の格好をした警部と両親でした。

警部は、敵国との戦争は終了したと報告します。

両親は泣きながら、アモラを抱きしめました。弟の影はありません。

アモラは笑顔を浮かべるのでした。

 

…。

 

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