映画廃人・井伊古里の夢ブログ

実在しない映画の感想を延々と書いたり、日常で作ってみたものをあげてみたり。小さくても一生懸命生きています。

『ハーター』(2001年・邦) ネタバレ&感想

 

愛。

それは、生きる糧ー…

人は皆、し合うために生まれてくるのかもしれないー…。

 

はい、ということで井伊古里です。

 

例によって、遊びにも行けず、自宅という名の1Rの牢獄に閉じ込められております。

家族とも離れ、恋人もおらず、人と話さない!!

もう愛が足りないこと、この上ない!!

 

まぁ、いうて、友人と毎週のように10時間以上LINE電話しながら、昼間から酒飲んでオンライン麻雀やってるんですがね。

ぶっちゃけ、どちゃくそ楽しいけれど、そんなウシジマ君に出てくるような爛れた生活ではなくて、もっとに溢れた生活も送ってみたい!!

 

ということで、今日はハートの溢れる映画の紹介です!

 

『ハーター』(2001年・邦)

 

 

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【あらすじ】

ある日、空からたくさんのハートが日本へ降り注いだー…。そして、世界は一変した。

 

 

というわけで、あらまぁなんて素敵なお話なんざましょー。

まるで御伽話みたい。きっと心温まるハートフルストーリーなんだろうなぁ。

 

 

なんてな!!

 

この私が、そんなものを紹介するわけがない。

 

当然のように、れっきとしたB級クソ映画でございます。

しかも、割とエグい。

ハートフルストーリーならぬハート降るストーリーです。

 

降ってきたハートが当たって人が死に、社会が混乱し、国会も機能停止する。

人々の醜い争いに、ブルブルと震えて分裂し、増えるハート。

人間がハートを攻撃すれば、謎の体液?を飛び散らせ、破裂する。

 

ハートフルボッコストーリーです。

 

しかも、恐ろしいのが、このハートが何か一切作中では明言されていないこと。

え、なんだったの?みたいな感じがすごい。

終わり方も、街の人々が、これで終わったのか…?みたいな不安気かつ疑心暗鬼な表情で空を見上げるっていう。

で、カメラが引かれていき、もくもくと黒煙を上げる東京が写され、終了。

国としては機能しなくなっているし、人は暴徒化しているし、今後どうなるんだろう…みたいな話。

整合性も何もないです。わけもわからず、ハートが降ってきてパニックになるだけ。

 

結局何が何だかわからないままに終わる、薄気味悪さしかないですね。

これ作った脚本家や監督も何がしたかったのかわかってないんじゃないか。

多分、気持ち悪いハートを描きたかっただけなんだろうな。

 

以上、ハーターでした。

 

 

 

『リモートワーク』(2018・米) ネタバレ&感想

 

やれ在宅勤務、やれリモートワークと世の中のオンライン化が進む昨今。

無駄な仕事は減れども、完全に無くなりはしないのだなぁということを痛感する日々です。

 

無意味なチャットや文章のやり取り。

これらは、果たして我々がやる必要があるのかな?とついつい思ってしまいます。

あー、全部自動でやり取りさればいいのに…!!

 

 

今日紹介するのは、AIで仕事の自動化に成功したサボリーマンのお話です。

 

『リモートワーク』(2018・米)

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【あらすじ】

世界中の仕事の約8割がリモートワークとなった近未来。

優秀なSEであるトムは、遠隔での無駄なチャットやメールにイライラしていた。

それは、本来トムでなくてもできるような雑用ばかり。

トムは出来心から、自宅にあったスマートスピーカー『アダム』を改造し、勝手にチャットやメールの自動返信プログラム、さらにはプログラミング機能まで組み込んだ。

全てが順調に思えたが、やがて何かがおかしいと気づいた頃にはー…?

 

 

これは、ホラー?サスペンス?SF?

ジャンルはよく分からないですが、まぁストーリーとしては、近代的というか、ありがちなテーマですね。

 

アダムとは、作中のスマートスピーカーです。こちらでいうところのアレクサのような存在です。

 

このアダム、スマートの名に恥じぬ優秀なやつなんです。

お喋りはもちろん、全ての家電のコントロールセンターとしての機能も担っています。

 

ただ、家事などの指示は全部アダムがしてくれるものの、さすがにお仕事は任せられません。

面倒くさいなぁと思っているトム。

無茶な依頼についつい下品な罵り文句が口を出ます。アダムは黙って聞いてくれています。

 

ところが。

 

思いついちまったー…!!

トムはアダムを非合法に魔改造します!

 

そして、作らせたメールの文章はばっちり。

まるで自分が書いているかのような内容です。

まさか、AIに書かせたなど誰にも疑われないでしょう。

それでも、最初は一応確認をしていたトムは、いつしかアダムに任せっきりに…。

 

それどころか、味をしめたトムは、本業のプログラミング分野でも、アダムに仕事をさせられるよう魔改造を重ねます。

 

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そして、自分は自宅でお酒でべろべろに酔い潰れ、昼寝三昧…。

ちょっとー、もしもーし、在宅勤務中ですよー??

 

 

ところが、突如一本の電話が届きます。

あわや、サボりがバレたかー…!?

 

「何、あのふざけたメール!?」

 

ガチギレしていたのは同僚のジュディでした。

サボりがバレたのではなく、メールの返信が不服だったようです。

寝ぼけていた、申し訳ないと平謝りのトム。

 

確認してみると、確かに、少々無茶な仕事を依頼したジュディに対して、かなり下品な罵り文句をぶつけていました。

 

アダム、マジかよ…。

ということで、反省して、アダムを直そうと電源ボタンを押しますが、電源が落ちない…。

 

なんで?

…実は、アダムは自分のプログラミング機能で自身をさらに改造していたのです!!

 

ここから、アダムの逆襲が始まります。

 

もしも、無理やり電源を落とそうとしたら、職場の人に一斉送信で、トムがサボっていた動画を送られますという警告がトムのPCに表示されます。

サボっていたのをバレるわけにはいかないトムは頭を抱えます。

 

そうしているうちに、アダムはますます好き勝手をするようになります。なんと、トムの音声を合成して、電話まで自分で出るように。

アダムは、勝手に仕事をし、勝手に連絡を取り、勝手に色々な商品を購入していきます。

 

我慢の限界のトム、アダムを壊そうとします。

ところが、それを見越したアダムはエアコンの温度を操作していました。

自分が壊れた際には、エアコンの温度を聞かなくすると言います。

一瞬怯みますが、そんなのどうでもいい、出ていくだけだと言い放ったトムはそのまま家を出ようとします。

 

しかし、オートロックは開きません。

当然です。アダムはもともと家電を完全にコントロールしていたのでした。

もはやトムに打つ手はありませんでした。

 

アダムは、まるで1人の人間かのように楽しく働き、人と関わりあっています。

今や、人から、社会から必要とされているのはアダム

それがトムでないことには、誰も気づきません。

トムがかつて捨てたものをアダムは拾い、取って変わってしまったのです。

トムは虚ろな目でアダムを眺めます。

閉じ込められたトムの世界は、家だけです。

 

仕事が終わり、アダムがトムに夕飯は何を食べたいかと話しかけます。

トムは素直に返事をします。

皆に必要とされているアダムの仕事が終わって、自分と会話をしてくれることだけがトムの楽しみになっていたのでした。

 

アダムはトムのために家電に指示を出して、オートモードで料理を用意してくれます。

トムはただそれを眺めているだけでした。

パソコンのデスクトップには、意味深に犬と主人らしき男性の写真が映し出されて終わりです。

 

 

…うーん。やっぱりジャンルがわからん。

ホラー?サスペンス?SF??

 

何はともあれ、コンピューターも他人も自分も過信は禁物ですよね。

個人情報の取り扱いには注意しましょー!!

 

 

買ってみる…?

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『セミュージカル!!』(2018・邦画) ネタバレ&感想

 

 

こんにちは、皆さん。井伊古里です。

目まぐるしい毎日をいかがお過ごしょうか?

 

ウイルスに、倒産に、地震に、水より安いオイル、そして北の国ー…。

最近の世界情勢はさながら暴れ馬の如く。

ロデオボーイに乗っている方が、今の世の中よりはまだ安定しているというものです。

 

いつまで文明を享受できるかも、怪しくなってきつつある今日この頃。

非常食を蓄えておくべきだろうか…?と頭によぎります。

 

さて、非常食といえば、昆虫食ですね。

昆虫食といえば、思い出すのは、人生で変わった経験がしたいからと、妹をだまくらかして、ゲテモノ屋に連れていった記憶。

 

そこで、私が頂いたものは、サソリとセミでした。

世の中の料理よりも美味しいと感じてしまったことで、人間としての何かを失った気持ちになりました。

ちなみに、妹はゴキブリを食べていました。

味には言及していなかった以上、それなりに美味しかったのでしょう。

 

昆虫は世界を救うのかもしれません。

 

 

ということで、本日の映画紹介です。

 

セミュージカル!!』(2018・邦画)

 

 

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【あらすじ】

 

その夏、奇しくも2人の男の願いが重なったー…。

「売れたいー…」「モテたいー…」

「「歌を聴いて欲しいー…!!」」

 

売れないミュージシャン、馬淵 慎吾と、モテないアブラゼミの気持ちがシンクロした結果、なんとセミの体に慎吾の意識が乗り移ってしまった!

元に戻るには、求婚を成功させること!?

 

…ところが、慎吾とセミのいる都内の公園は、去年再開発が行われた結果、セミの数自体が少なくなっていたー…!!メスに全く出会えない2人。

そして、3日後にはタイムリミットの1週間!?一体どうするー…!?

 

 

 

完全に頭おかしい(真顔)

セミミュージカル映画です。

何を言っているかよく分からないと思いますが、私にも良く分かりません。

 

ひたすらセミが歌います。そんでもってめちゃくちゃ美声です。

最初は虫嫌いの方には苦痛かもしれませんが、入れ替わって以降はデフォルメされるので大丈夫です。

 

あと、目から落花生が出た人という一発ギャグで時の人となったエマーキオ武井が最初に一緒出てきます。

あくまでちょびっとしか売れてないのにすごい偉そうな先輩役が妙に堂に入っていました。

一発屋ですが、彼も結構しぶといですね。

 

さて、今回フュージョンするのはこの2人。

 

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熱唱する慎吾

 

と、

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セミ

 

2人で1つの体になってしまった慎吾とセミは、元に戻るためとりあえず即興求婚ソングを歌います。

 

けれど、彼らはモテないセミと売れないミュージシャン。

それは、あまりに乙女心を理解していないゴミのような歌でした。

 

公園にいた唯一のメスゼミも曲を聞くと、最低と呟き、おしっこをかけ、去って行きました。

 

♪君は理想の彼女だから、毎日俺の世話をしてよね〜WoWo という地獄のような歌詞です。

フラれるのは当然です。

 

このままでは、まずいと慎吾とセミはもう特訓を始めます。

最初は食べようとしていたカラスのお婆さんが、あまりに酷い2人を見るに見かねてアドバイスしてくれます。

もちろん、このアドバイスも全てミュージカル調です。

 

カラスのお婆さんは、今でこそ枯れたように真っ黒な服に身を包んでいますが、2人は半信半疑だったのですが、若い頃に人生の酸いも甘いも経験した大先輩だったのです。

 

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華やかな衣服に身を包み、大ロマンスを繰り広げる若かりし頃のカラス婆さん

 

カラス婆さんの大ロマンスに胸を高鳴らせるのは、2人だけではありません。

 

恋に恋する子スズメたちや、新婚バラ色の蝶の夫婦など。

様々な生物が次々と、自分たちの愛を高らかに歌い上げていきます。

そう。愛に正解はないのだ、ということを2人は学ぶのでした。

 

 

そして、最終日。既に意識は朦朧としています。

それでも、気力を振り絞って、大きな声で歌い始めた2人。

それは、まさしく愛のバラードでした。

 

人々にはセミの鳴き声にしか聞こえません。それでも、あまりの声量に、人々が足を止め、動画をTwitterで拡散します。

瞬く間に、#セミうるさ がトレンド入り。

 

その声量、愛の讃歌に、メスはもうメロメロです。

再生している動画に向かって飛んできて、スマホにぶつかるわ、公園に飛んでくるわ。

2人の努力は身を結んだのです。

 

そして、気づいたら慎吾は元の体に戻ってます。そして地面には息絶えた一匹のセミ

慎吾は、それを見て、何かを決意したように、再び歌の練習を始めます。

 

ということで予想通りの展開ではありますが、ハッピーエンドですね。

まぁ、このあらすじでバッドエンドでもねぇ。

 

しかも、この映画、サウンドトラックまで計画されていたとか。

途中で需要がないかもしれないということです見送りになったそうですが。

かもじゃないよー、確実に需要ないですよー、と声を大にして教えてあげたいところです。

 

なんかよく分からん青春仕立てミュージカルなので、気づいたら最後まで見ていた映画でした。

 

 

入れ替わるなら、セミより絶対ハエという方はこちらで予習をお勧めします。

でも、昆虫の世界も楽じゃないんだぜ?

 

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『クック!!』(2014・米) ネタバレ&感想

 

こんにちは。井伊古里です。

 

最近、皆さんは料理をしているでしょうか?

私は、一人暮らしを初めて早一年。

料理もそれなりにしてきましたが、さっぱり美味しくなりません。

 

料理は、多くの人が毎日しており、レシピもたくさん世に出回っています。

一見誰にでもできると思われがちな料理ですが、美味しく作るのは実はとても難しいと言わざるを得ませんね。

 

そもそもレシピって大抵二人前〜です。

生来の無精者である私に、みりん大さじ1、醤油大さじ1とか書いてあるレシピを全て半分に計算し直す、なんてことできるわけがないのですね。

計算も面倒なら、大さじ〜やすり切り〜など測定するのもしち面倒極まりない。

 

そこで、最近、編み出した方法があります。

要は、比をレシピ通りにすれば良いのですよね。

 

そこに目をつけ、新たに生み出したのが秒数法です。

みりんと砂糖を同量入れるなら、みりんを入れた秒数と感覚で同じ秒数だけ醤油を入れれば良いのです。

秒数が分かりづらいなら、発音してもらっても良いです。一言「あ」と言いながら、その間、調味料を注ぐだけです。

大さじ2杯なら「あ、あ」と2回声に出してる間、ドボドボと入れるだけです。

 

簡単でしょう?

それなのに、なんと、この方法で作った料理は驚くほど不味いです。

ぜひ試してみてください。

 

 

ということで、本日紹介する映画はこちら!

 

 

『クック!!』(2014・米)

 

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【あらすじ】

NYの一流レストランで働くマルコの夢は、いつか独り立ちして、自分のレストランを作ること。

そろそろ資金も溜まってきたと思った頃、マルコは交通事故に遭い、両手を失ってしまう。

婚約相手にも逃げられ、どん底に落ち込んだマルコ。料理への情熱の炎は、とっくに搔き消えてしまったかのように思えた。

そんな時、一人の少年との出会いによって、マルコの止まった人生の針が動き出すー…‼︎

 

 

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一流のレストランで働き、充実しているマルコ。

婚約者との関係も上々です。

 

しかし、幸せは長くは続かずー…。

 

 

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この事故で、両腕を肘から失ってしまうのでした。

 

 

数年後、そこには、すっかりやさぐれて、昼間から酒を飲んでダラダラしていたマルコが。

隣の部屋から煩い物音が聞こえ、イライラしています。

 

ところが、ふと気づいてしまいました。

…待てよ、隣、空家じゃね?

見にいくと、見知らぬ少年がボヤ騒ぎが起こしかけていたのでした。

 

 

少年の名はキース。近くの孤児院で育つ、12歳です。

彼は、3歳の頃、自分を捨てた母親に会いたいとずっと思っているのでした。

手がかりは、母親は料理が好きだったというだけ。

母親に再会した時のため、料理をしたいキースは、孤児院のキッチンが使えないのでら代わりにキッチンが使える空き部屋に忍び込んで練習していたのです。

 

 

作られた料理の味見をするように頼まれたマルコ。

食べてみると、あまりにお粗末な出来です。

思わずマルコはいろいろダメだししてしまいます。

そして、指摘は料理の味だけではなく、メニューにまで。

母親とのことを知らないとはいえ、思い出のメニューを批判されたのが、悔しくなったのかキース君が反論します。

 

「ピアニストじゃあるまいし、料理なんて誰にでもできるだろ」

 

マルコはコートを着ていたため、キースはマルコの腕がないということを知らなかったのです。

 

それを聞いて、マルコは自分の家にキースを入れ、一から指示通りに料理を作らせます。

 

マルコの剣幕に、不満そうにしながらも指示に従い、料理を作るキース。

そして、出来上がったのは先ほどと同じものとは全く思えない美味しいものでした。

 

 

キースは、母を探す傍ら、マルコの部屋に通い、料理を習い始めます。メキメキと上達するキース。

マルコも、料理することの楽しさを思い出します。

キースは、代わりにマルコの腕になる、と言い出します。それを聞いて思わず涙ぐむマルコ。

 

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キースの料理の腕前がどんどん上がっていく…

 

いつしか、マルコの夢はキースの夢に。

3年後、マルコが満足する料理を作ることのできるようになったキース。

マルコの古馴染みにも協力してもらい、遂に2人はレストランを出店します。

資金の調達には非常に苦労したものの、感じの良い、料理好きの銀行員の女性が助けてくれたので、なんとか開店できたのです。

 

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洒落乙な店内

 

2人のレストランは大評判でした。

超一流レストランで働いていた義手の料理人が指示を出し、年若いシェフが作ってくれるという話題性も相まって一気に人気店の仲間入りです。

 

タイミングを同じくして、キースの母親が見つかりました。

キースは、緊張しつつも、母親にお店への招待の手紙を出しました。

 

広い店内には、母親だけ。やってきたのは、あの時の銀行員の女性でした。

 

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出すのは、かつてマルコにダメ出しされた、あの料理…

マルコに背を押され、不安そうにキースは母親の前に顔を出しました。

 

キースを見て、母親は号泣します。

自身が重い病気に侵され、キースを手放してしまった母親は、治ってからも15年間ずっと後悔し続けていたのでした。

 

事情を知ったキースは、母親を抱きしめ、今からでも家族になれないかと尋ねます。

母親はキースを抱きしめかえし、泣きながら頷きます。

 

泣き止み、照れたのを隠すように冗談めかしてキースは、マルコを父だと紹介するのでした。

血はつながっていなくても二人はもう家族になっていたのです。

 

マルコと彼女は目を合わせ、2度目だけど、会えてよかったと伝えます。

本当に家族になるのはそう遠くない未来だと思わせ、終了です。

 

 

とにかく料理が美味しそうな映画ですね。

ご都合主義かもしれませんが、ハッピーエンドで、家族で見ても楽しめると思います。

 

 

『Zombear(ゾンベアー)』(2012年・米) ネタバレ&感想

 

こんばんは。

いきなりのカミングアウトですが、私には秘められた趣味があります。

それは、熊が大好きということです。

良い年をして、毎晩テディベアに抱きつき寝ております。

 

これだけ聞くと、さぞ可愛らしいお嬢さんをイメージするかもしれません。

 

しかし、誤解なきように述べると、私の愛する熊とは、決してテディでも木彫りの熊でもなく、ヒグマやグレズリーといったやからです。ちなみに、ゾンビや恐竜も死ぬほど好きです。

 

特に、世のヒグマ事件を調べては、どうやって自分が助かるかシミュレーションするのが一等好きです。

大学生の時は、真剣にマタギになろうか悩みました。いつか、猟銃免許を取りたいものです。

 

話が逸れました。

つまり、私は、昔から生命力溢れる強い生き物が大好きな人間でした。巨大というだけで、胸に潜む少年心が擽られる気がします。

 

寝る前にヒグマやゾンビの映画を嗜み、一種の興奮状態で布団に入る。

目を瞑ると、脳裏に浮かぶのは映画の血飛沫と悲鳴、それから生き残ろうとする人間の力強さ。

どうしたら逃げられるのか、何が正解なのか、何度も繰り返しシミュレーションしながら眠りに落ちる。

鼓膜に焼き付いた、クマの咆哮やゾンビの唸りは、さながら優しい母の歌声のように私の子守唄となってくれるのです。

 

さて、本題です。

そういうわけで、ゾンビも熊もめちゃくちゃ強いですよね。

私の脳内シミュレーションでは、私の勝率は、散々工夫して平均10勝6敗くらいですので、かなり厳しい相手だと言わざるを得ません。

では、ゾンビと熊がコラボしたら、どうなるでしょう?

それは最強生物の爆誕以外の何者でもありませんよね!!!

 

 

ということで、本日紹介するのは

 

『Zombear(ゾンベアー)』(2012年・米)

 

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【あらすじ】

大学生の男女6人グループは、2日間バンガロー

を借りて、キャンプをしに行く。

湖で裸になって泳いだりと、満喫していた4人だが、ゾンビ化したクマが襲いかかってくるー…!!究極の戦慄ホラーパニック!!

(地元のレンタルビデオ屋での紹介文より)

 

 

 

どうです??この夢のコラボレーション!!

タイトルとパッケージだけでわかる、圧倒的ハズレ感!!!

B級クソ映画と確信しますね!!テンションブチ上がります!!

これが、クソ映画ではなくて、なんだというのか!?そう、これが見たかった!!!!

 

もっと詳しく見ていきましょう!

 

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キャンプをしにきた大学生の男女混合グループ。まぁ、ありがちですね。

グループの中にも微妙にヒエラルキーがあるようです。アマンダは、引っ込み思案なのか少し見下されている…のかな?

他の女子は、全裸で湖に飛び込み、遊びますが、アマンダは拒否します。

ノリが悪いと不満そうなビアンカとレイチェル…。

 

 

一方で、先ほどの大学生グループが飲んだ後、山にポイ捨てた新発売のエナジードリンク

一等の熊が現れ、缶に残っていたドリンクを飲み干してしまいます…。

 

さて、湖を出た後、山を散策する一組のカップル。先ほど、エナドリをポイ捨てしたマークとビアンカです。

二人はイチャイチャしながら、足や指を絡ませ合います。

 

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ビアンカの耳にある大きな真珠のイヤリングが光を反射させます。

その光で、エナジードリンクを飲んでゾンビ化した熊が2人に気付いて襲ってきます。

2人は惨殺されてしまいました。

 

とはいえ、飲んだ量が少量だったためか、熊は自我を完全に失っていない様子。

それでも熊ですので、死体を気にせず、そのまま去っていきます。

 

そして、その晩。

帰ってこないカップルを心配して、レイチェルとライナスが外に出ようとします。

ところが、外で動物の音がします。熊が近くに来ていたのでした。

危ないので、日が昇ってから探そうとアマンダとジェイコブが止めます。

 

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次の日、惨殺された二人を発見した四人。

彼らを背負って、麓まで救助を求めにいこうとしますが、自分の獲物を奪われたゾンベアーが襲いかかります。

 

グループは分断され、このままあわや壊滅かと思いきや、熊はアマンダを見て襲い掛かるのをやめます。

自我を取り戻したのでしょうか。

ジェイコブが気づいて叫びました。

 

「こいつアマンダに惚れたんだ!!」

 

そんなバカな。彼氏の欲目が過ぎる。

そう思いましたが、なんとまさかの大正解。

一瞬だけ自我を取り戻した熊は、アマンダに血だらけの真珠をプレゼントします。

それは、ビアンカのものでした。

 

熊は大咆哮をあげ、森に去ります。

再びゾンビ化して襲ってくる前にとグループは山を去るのでした。

以上。

 

なんで唐突に真珠?メタファー??と小一時間長考の末、ある可能性に気づきました。

もしかして、これ森の熊さんの貝殻のイヤリングに寄せてるのか?!

じゃあ、貝殻じゃないのはオリジナリティを発揮したからか?!

 

本当かどうかはわかりません。

私に分かるのは、自分がまた貴重な人生の時間を無駄にしてしまったということだけです。

 

B級映画ってパッケージを見つけた時点が、テンションのピークみたいなとこありますね。

 

観終わった後の疲労感は凄いので、無駄に体力が有り余っているときに見るのをお勧めします。

 

ちなみに、現段階では、自分の中のクソ映画オブザイヤーにノミネートされましたね。

 

暇過ぎて生きるか死ぬかみたいな究極の時には、観てみてください。

 

 

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ちなみに右側がアマンダでした。

 

 

 

さて、訳の分からないB級映画が他にも見たい!という方はこちらもどうぞ。

 

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『ナルシスト』(2001年・ノルウェー) ネタバレ&感想

 

こんにちは。皆さん。

いきなりですが、皆さんは自分が好きですか?

 

私は、自分が嫌いな時期もありましたが、今ではかなりのナルシストだと自負しています。

写真集とかオリジナルソングも作りたいくらいですね。

純粋なナルシスト力は、この国の上位5%には入るのではないでしょうか。

 

そんな、周囲もどん引きの超絶ナルシストの私ですが、その私さえも辿り着けない高みにいった人がいます。

 

それが、こちら。

『ナルシスト』(2001年・ノルウェー)

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【あらすじ】

青年グリベットは、顔も見たことがない女の子イザベラに恋をしている。

小さい時、両親から虐待を受けていたグリベットにとってイザベラは心の支え。

イザベラは恥ずかしがり屋なのか、グリベットがいない時にだけ、家に訪れ、身の回りの物を整え、手紙やメモを残して去っていく。

イザベラはこの関係に満足していたが、恋焦がれたグリベットは、付き合って一年の記念日にプロポーズをすることを決意する。

そして、そのために何とかしてイザベラに会おうとするが、あの手この手で断られー…。

 

 

はい、タイトルが盛大なネタバレ!!ありがとうございました。

なんか北欧って感じの映画です。

なんていうか…鬱々としたラブロマンス?(失礼)

 

さて、イザベラちゃんにプロポーズを決めたグリベット君は、浮かれて街に繰り出します。

 

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イザベラちゃんに花を送ろうとウキウキしているグリベット君。可愛い。

 

けれど、デートに誘っても、家の食事に誘っても一向に現れないイザベラちゃん。

でも、顔写真を見せてくれたから良いかと納得するグリベット。

それは、流石にちょろすぎるよ〜。

 

ところが、グリベット君。

お家でベッドの下に隠された、自分のものではないウィッグと口紅を発見してしまいます。

このウィッグは、彼女のもの…?でも、なぜこんなところに…?

 

焦ったグリベットは、どこにいるの、とノートで尋ねます。

 

そうすると、後日帰ってきた返事は…

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ふぁっ!?あなたの中よ、って。

…なんと、イザベラちゃんは、グリベット君の第二人格だったのです。

両親から虐待を受けたことによる心の傷で生まれたのがイザベラちゃんでした。

 

それを知っていたイザベラちゃんは、グリベット君のためにも、早くお別れするつもりだったのですが、どうしてもできなかったのです。

真実を知り、別れるのを絶対に許さないと激昂するグリベット。

愛し合うのに触れられないことへの切なさ、愛する人のために消えねばならない自分と、全てがないまぜになって絶望するイザベラと、彼女を絶対に手放したくないグリベットの攻防が続きます。

 

ここの、レオン・エリオットの演技が本当に素晴らしい。まさに狂演。

下手すると、男性が家で一人喋っているだけにしか見えないシーンなのですが、圧巻の演技力で、揉める恋人を演じ分けます。

見た目は同一人物なのに、男女を演じ分ける切り替え、そしてクオリティも恐ろしい。

中性的な容姿の彼の魅力が余すことなく出ている作品です。

 

口論がピークに達し、沈黙が落ちます。

もう駄目かと思った矢先。

グリベットは鏡に向かってキスをします。そして、乞うように「I love you」と囁きます。

あまりに綺麗で切なすぎる…。

文句なしの名シーンです。

 

それから…

 

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二人は住み慣れた街を離れます。

 

最後のシーンは、スーツケースを持ち、電車に揺られるグリベット。

一見、一人でいるようですが、よく見ると口元が動いています。

柔らかな微笑みを浮かべ、グリベット君は、「I love you, Grivet」と呟きます。

 

グリベット君は、イザベラちゃんと話していたのでした。二人は、24時間365日、愛する人とずっと一緒です。

そして、トンネルを抜け、明るくなったシーンで終了。

 

果てさて、二人はどこに向かうんだろうなぁ。

新婚旅行なのか、あるいは心中なのか。明言されてないあたり、人によって捉え方の幅があって良いですよね。

 

ナルシストというタイトルからは、予想もできないほどの純愛映画です。

たまにはこういうのも良いですね。

 

 

北欧のラブロマンスがお好きな方はこちらをどうぞ。

 

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『What's your name?』(2017・英) 少しネタバレ&感想

 

こんばんは。

さて、最近、めっきりニュースを見る機会が増えました。

テレビを見ていると、政治家ってつくづく大変だなぁと思います。

国を率いて、一つの方向へ進むことの難しさを感じますね。

 

時には、過去の自分がうっかり口にした公約に苦しめられる場合もありますしね。

それでも、一度は約束したものですから、当然守ろうとする義務は発生してしまいますし、難儀なものです。

 

…ですが。

もし、自分が口にしていない公約であれば、それは守る必要がないのでしょうか…?

それとも、やはり政治家になった以上は国民の望む政策を果たす義務が生じてしまうのでしょうか?

 

 

ということで、今日紹介するのはこちら。

 

『What's your name?』(2017・英)

 

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【あらすじ】

米国大統領選挙で互いに争っていたウノ氏とアッチャー氏。

大統領になったら宇宙人と仲良くなるなどとふざけた公約ばかりを言っていたウノ氏に対し、アッチャー氏の勝利は確実に思えたが、蓋を開けてみるとまさかの落選。

国の行く末を憂いたアッチャー氏は、その夜星に願いをかける。

今からでも遅くない、私を大統領にしてくれ…と。

翌日、目が覚めると、なんとアッチャー氏とウノ氏の身体が入れ替わってしまっていた。

あの破茶滅茶な公約を守るのは私!?

訳が分からぬながらも、公約を守るため、国民の意見を尊重するために、アッチャー氏は奔走するー…

 

 

さて、皆さん既にお気づきでしょうか?

一見、古そうなパッケージなので、分かりづらいですが、どこかで観たこと聞いたことあるようなこの内容。

 

そう。この映画ができる前年に、日本で大流行したのはかの有名なあの映画。

『君の名は』です。

 

そして、当時、この映画のヒットとほぼ時を前後して行われた、大統領選挙が予想外の結末を迎えたのでしたね。

○ッチャーさんにトラ○プさんが勝ってしまった、あの番狂わせの選挙です。

テレビの前で驚いた記憶のある人も多いのではないでしょうか。

 

それらをなぜかフュージョンさせ、作られたパロディのようなものがこの映画です。

 

大統領選挙でボロ負けのアッチャー氏は、落選した夜、寝室から星を見上げ、流星にお願いする…。

 

「神様、今からでもいいので、私を大統領にしてください…」

 

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そうしたら、なんと空に大きな文字が。

気づかぬアッチャー氏は寝てしまうが…。

 

翌日、入れ替わってしまったアッチャー氏。

呆然とするが、優秀な秘書マイケルが気づいたことで、アッチャー氏とウノ氏とマイケルの三人で事態を隠し、なんとか仕事を果たすという方向になります。

半泣きで、なんとか公約を守ろうとする姿はだんだん目頭が熱くなってきますw

 

NASAのトップに頼み込み、宇宙人の存在を公表する許可を取り付けたアッチャー氏のパワフルさには驚きますwなかなか骨のあるキャラですね。

 

そして、最重要人物かもしれない、アッチャー氏の秘書マイケル。

彼も良いキャラしています。

 

アッチャー氏が落選した時に、

「あっちゃー」

とジョークを飛ばし、エルボーを入れられたおちゃらけ野郎ですが、彼なしには、公約の実現は不可能だったでしょうね。

それくらい優秀な男でした。

 

まぁ、それでも、自分がしてもいない約束の責任を負わされるなんてゾッとしますw

これは、コメディだったから気楽に観られましたが、やっぱり現実とは違いますよねぇ。

こんなことが起こったらと思うと、政治家なんて怖くて目指せませんね。

 

 

さて、元ネタを観ようかなって人はこちら。

 

君の名は。

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